k.n.o.c.k

空にとけた夢がさわぐよ

はやく終わってしまえと思っていたすべて ほんとのほんとはまぶしかった

今の自分は高校生に勝てる気がしない。高校生だったときは負ける気がしなかった。っていうのを本で読んで、そういうことだ、と思った。何に関する勝ち負けかもわからないけど、きっと無敵だったんだよなあ。これも書いてあったことだけど、体育を終えたあとの風景とか。着替えて更衣室の外に出たらだいたい下駄箱が混み合ってて、ローファーの子はもう行こうとしてるんだけどその子をつかまえて「ちょっとまって!」って声かけるブーツの女の子とか(冬仕様)、そう言われる前から「はやくー!」って言いつつもちゃんとそこで待ってる女の子とか、急いでるあまり左右で靴下の長さが違ってる女の子とか、タオルを首に巻いたまま教室に滑り込む男子とか、学ランの下に着てる色Tがもろバレしてる男子とか、汗のにおいを女子より気にする男子とか、至るところであらゆる香りの制汗剤を使ってるからぐっちゃぐちゃのきもちわるいにおいが漂ってる教室とか、それを本気で嫌がる女子とか、チャイムと同時に教室に入ってくる古典の先生とか、機嫌が悪ければずっと説教だし機嫌がよければ歌物語の恋の歌をノリノリで表現する古典の先生とか、自分で言って自分でひゃ〜〜〜!とか言ってる古典の先生とか、とにかく古典の先生のモノマネが流行っていたこととか。まぶしいなあ。高校生に戻りたいって言われてもピンとこなかったけど今なら声を大にして言う。高校の放送室に乗り込んで言ってあげたい。それが青春なんだよって。校門で一緒に帰る男女を横目に「どうせ青春なんてリア充のためのもんなんだー!」って思ってた自分に、そう思うことさえも青春なんだよって。もっともっとバカでアホなことやっておけばよかったなあ。ほんとに些細なことが、何気ない毎日こそが、しあわせだったりするんだなあ。いつになったら過去に縛られなくなるんだろう。前向け前!