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空にとけた夢がさわぐよ

一冊目

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

ジャケ買いならぬタイトル買いした本。おいしそうだな〜っていう第一印象。つらいことがあって、その気持ちを抱えながら生活していて、いろんな人から影響を受けて、支えられて、また前に進もうとする…っていうざっくりとしたストーリー展開は本当にシンプルなものだけど、だからこそ読み終わったあとに変なわだかまりとか焦燥感といったものが残ることのない、静かにあたたかい物語でした。主人公が女性で、もちろん冒頭で明かされる「直前になって結婚破棄」っていう状況には自分は置かれていないけど、その他の点で今の自分と重なる部分が多々あった。それも読みやすさの一つの理由かもしれないなあ。この場面のここがいい!ってピンポイントに思い出せるようなそういうインパクトを自分に残した作品ではないけど、わたし自身がこの本に心のどこかで支えられているような気がする。あすわ(主人公)にも周りの人たちにも出会いたい!と思ったし、あすわが壁を乗り越えようとしているときにはがんばれ!って応援するような気持ちで読んでいた。自分がやりたいことをやる、そのためにやるべきことを考える、時には人に頼る、そして毎日しっかりごはんを食べる、そういう当たり前のことを大切にしていきたい。